かみしげはどうして今Lovely Xmasを歌うのか。
現在、2枚目のフルアルバム、ラッキィィィィィィィ7を引っさげてツアー真っ最中のジャニーズWEST。そのアルバムにはユニット曲が入っています。デビューして初めてのユニット曲です。
TAMER:中間淳太
Lovely Xmas:重岡大毅&神山智洋
Terrible:藤井流星&小瀧望
こんな曲作りました:桐山照史&濱田崇裕
事前に重岡は神山と二人で歌うと発表されました。
それはもう嬉しくて嬉しくて。Jr.時代からユニコンはずっとやらせてもらっていましたが、今までユニ曲で二人が一緒の曲を歌った事はありません。
過去のユニコンで二人が歌ったのは以下の曲です。
08年クリパ 重岡TEPPEN・神山OVER DRIVE/虹色のうた(ソロ)
09年クリパ 重岡Bonnie Butterfly・神山旅立ちの翼
10年クリパ 重岡WISH・神山SADISTIC LOVE
11年クリパ メドレー以外のユニ別曲なし
12年クリパ 重岡チラリズム・神山二人の花
13年クリパ 重岡負けへんでBaby(ソロ)・神山レース(ソロ)
勿論、二人きりで全く歌った事がないわけではありませんし(東西歌合戦のVenus、クリエ2組のDial Upなど)先輩メドレーの中の曲では2~3人で歌った事(春松竹いにしえ、クリパ冬恋など)もあります。
でも、やっぱりメドレーの中の1曲じゃくて、ユニ分けした曲を1曲フルでかみしげで見たい!
2010年のクリパの時の話です。
曲選びの段階で、重岡は”今しか出来ない可愛い曲”がどうしてもしたくて折れなかったそうです。カッコいい曲をやりたいメンバーと揉めて、それでも折れずに結局別の曲になったと。
重岡たちが選んだのはWISH。ちっちゃいJr.を沢山付けてタキシードにステッキを持って可愛く踊っていました。対して神山たちはSADISTIC LOVEをカッコよく。
ではどうして重岡はそんなにこだわったのか。
今でもよく「しげは頑固だ」的な事をメンバーに言われています。頑固になるのは、何かを作って行く段階で重岡の頭の中には「これ」と言った形があってそれに近づけたいからなんだと思っています。
重岡は自分がアイドルでいるためにどうしたらいいかを客観的に見る事が出来ているし、ファンが望んでいる事がちゃんとわかっているのだと思うんです。私が重岡を”賢い子”と形容するのはそういう理由からです。
10代の頃はどの子も背伸びをしてカッコいい曲を選びがちです。勿論それはそれでキュンとしますし、若い子が「お前を守る」的な歌詞を歌っていると若くて青いなんだか心の奥がムズムズとする遠い昔の初恋を思い出したりするのも事実です。
しかしそうではなくて、”10代のうちに10代でしか出来ない曲”を選ぶ事が出来るというのもまた、素晴らしい事だと思うんです。
KinKi Kidsの硝子の少年を作った山下達郎さんは「この曲は二人が年を取っても歌える歌だよ」と言いました。いくつになっても歌える、勿論そんな曲も世の中にはたくさんあります。
でも逆に10代でしか歌えない歌も沢山あるのです。
ジャニーズJr.のラブレターなんかはいい例だと思います。30歳を過ぎて「(ラブレターを)出そうかな、やっぱやめようかな、悩み続けてる赤いポストの前で」なんて歌われても、ちっとも可愛いと思いませんし逆に早よ出せやと突っ込みたくなります(個人的意見ですが)。
だから、あの時に重岡がWISHを選んだのは、関西Jr.の中心メンバーにはBAD、BOYS、VETERANとお兄ちゃんたちが沢山いて、一番末っ子だった7WESTは可愛いポジでいくべきだって思っていたって事なんだと思うのです。
じゃあデビューした今、何でLovely Xmasなのか。
この曲は二人の為に用意された曲ではなくジャニーズWESTのアルバム用に用意された曲です。そのアルバム候補曲の中からこの曲を選んだと話しています。
神山と歌うなら可愛い曲。
これは絶対前提としてあったはず。何年か前なら、ダンス曲だったかもしれないしギターを持って歌ったかもしれない。
でも今このタイミングだからこそ可愛い曲を歌いたいんだろうと。淳太や流星小瀧はカッコいい曲を、照史濱田はコミックソングを、じゃあ俺たちは可愛い王道アイドルソングを。
初めての二人の曲に、デビューして初めてのユニ別曲に、初々しいこの時にしか歌えない王道アイドルソングを持ってくるなんて天才かよって心から思います。ほらね、やっぱり重岡は賢い子でしょうって鼻も高くなるってもんです。
自分たちらしい曲、他のメンバーと被らない曲。赤と緑でクリスマスカラーだからクリスマスソングだよねってのは絶対後からの理由付け。4月までツアーあるのがわかっていてあえてこの曲を選んだのは、きっと彼の中で意味がある。その理由をズバリ言わないのが、らしい所なんですが。
これから先もきっと、その時にしか歌えない曲をコンサートで披露してくれるんだろうなと楽しみと期待しかありません。
コンサートの中盤、MC、Jr.コーナーの次の後半1曲目にこの曲は歌われます。
初めてのクリスマスに待ち合わせをしている恋人たち。彼氏が手渡したプレゼントはスノードーム。そのスノードームの中の景色がステージ上で繰り広げられています。
プレゼントボックスから登場する重岡神山、雪の舞う中くるくると笑顔で踊る二人、正にスノードームの中の夢のようなメルヘンな空間を作り上げます。
♪いつの日にか僕ら思い出すだろう、初めて二人で歩いた今日の日を
この歌詞の時に二人で肩を並べてメインステージからセンターステージに向かって歩いて行きます。
ゴンドラではにこやかにお互いを見つめ合い、ゴンドラから降りるとポンっと背中や肩を叩き、その後は肩を並べてただ真っ直ぐに前を向いて歩いて行く、歩幅を揃えて。二人の視線の先にはきっと同じ景色が見えているはず。
その並んで歩く二人を見る度に、こんな未来が現実になってよかったと思うんです。そしてこれから先この曲のこの歌詞を聞く度にきっと、二人が肩を並べ前を向いて歩いている美しい景色を思い出すに違いないのです。